楽読インストラクターのりゅういちです。
有価証券報告書の虚偽記載をしたということで、マスコミで大きな問題として取り上げられている日産のゴーン氏。この問題の真偽のほどは分かりませんが、ゴーン氏が日産を立て直したことは確かです。彼がどんな手法、あり方で、組織を改革していったかが分かるエピソードを紹介したいと思います。
「伝説の会議」で当事者意識を覚醒させる
カルロス・ゴーン氏が社長に就任してすぐ、役員たちを集めて開いた「伝説の会議」があります。その会議は、たった15分で終わったのですが、これまでの日産に喝を入れるには十分でした。会議の出席者は、全国から集められた、日産を動かしている、それこそ月収100万円以上の役員以上の人たちでした。
この会議はゴーン氏の「3つの質問をさせてくれ」という言葉から始まりました。こんな質問でした。
「日産が潰れそうだが、何が起こっているんだ? 問題と欠点を教えて欲しい」
すると役員たちは「よーく聞いてくれた。今までの社長はそんなことを聞いてくれなかった。じゃあ言わせてもらう」とばかり、時間がこうだ、工場がこうだ、人の配置がこうだと、日産が抱える様々な問題点を伝えたそうです。
「そうか。そんな問題が起きていたのか。それはひどいな。じゃあもうひとつの質問をさせてくれ。改善策は何だ?」
そんなことも聞いてくれるんですかとばかり、じゃあ給料をこうしてくれ、時間をこうしてくれ、休みをこうしてくれ、ああしてくれこうしてくれと、みんなが一斉に言い始めたそうです。
「わかった。それやったら立て直せるんだな」
そうですと、役員たちは答えたそうです。
それを聞いて、ゴーン氏はこう言ったのです。
「じゃあ、最後に質問させてくれ。
それを誰がやるんだ?」
会場
シーーーーーン
「だから潰れるんだ! 問題点が分かっていて改善策も分かっていながら、誰がやるんだと言ったときに、なぜ誰も手が上がらないんだ! 現場で働いている人たちにくらべて、はるかに高い給料を君たちはもらっているが、何やっているだ! 誰もやらないなら俺がやる」
と言って、ドアをバ――ンと閉めて出て行ったそうです。
ゴーン氏が出て行ったあと、役員たちは「いきなりそんなことを言われてもな」とゴソゴソ話していたそうです。しかし、それはゴーン氏がいるときにいうべきことであり、「検討するから時間がほしい」など伝えればよいのです。いるときに言えば「提案」になりますが、いないときに言ったらただの「愚痴」です。
そういう状況も含めて、自分たちの会社が潰れそうな状況なのに、責任ある人達が「誰かがやるだろう」と他人事になっていることを、ゴーン氏は3つの質問というかたちで指摘したのです。「もっと当事者意識をもって職務に当たれ」と。
そして、ゴーン氏が最初にやった仕事は、あるCMをつくることだったのです。
車なんか売るな!〇〇を売れ!
ゴーン氏は日産立て直しのために、まずCMを作りました。それが下の動画です。
このCMに出てくるマイクや照明のスタッフは、実は先の会議に呼ばれていた役員たちです。ゴーン氏は役員たちにこう言ったそうです。
「君たちは日産自動車が一番売ってはならないものを売っただろ。君たちは車を売っただろ。車だけを売るんだったら、トヨタさんだってスバルさんだってどこでもある。車を通じて私たちは何を売る理念なんだ? 創業の精神や理念を忘れ、車を売りに行ったから君たちの会社はこうなったんだ。日産はカーライフを通じて家族の愛を育む。そこから社会を幸せにする。そこだろ」
そう言って、抽選で選んだ家族でCMをつくり、家族が喜ぶ顔を直接役員たちに見せたのでした。
「君たちはお客様が喜んでいるところを想像したことがあるか? お客様が感動して幸せな表情をしている姿を想像したことがあるか? 君たちは売ってるものが違うんだ。車なんか売るな」
読者の皆さんなら、この意味がわかると思います。これをご自分の仕事やビジネスに当てはめて考えてみるとよいのではないでしょうか。みなさんはふだん何を売っていますか?売っているものを通して何を実現しようとしていますか?
ちなみに僕の仕事は、楽読という速読トレーニングを通して、自己肯定感高く、自分軸をもって、自分本来の生き方をしていく人を増やすことです。
自分軸のある幸せな個人を確立することが幸福な家族、平和な社会、活力ある国、豊かな世界を実現する第一歩であり、幸せな個人を一人でも増やすために、僕は楽読やリターンスクールをやっています。
まだまだ未熟ですが、想いだけは持ってます。人工知能だったりロボットだったりがどんどん出てくるなかで、逆にそういうものに頼る社会が広がれば広がるほど、僕たちのような考え方の人が必要とされてくるのではと感じています。
この今の時代に生かされた自分を高めて未来につなげていきます
りゅういちの楽読体験セミナー
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